化学大手エボニックが日本のベンチャーキャピタルに出資

化学大手の独エボニックは15日、ベンチャーキャピタル部門エボニック・ベンチャーキャピタルを通じ、日本のベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営する8号ファンドに出資したと発表した。エボニック・ベンチャーキャピタルが日本で投資を行うのは初めて。アジアのイノベーションネットワークを拡大するとともに、破壊的技術にいち早くアクセスできるようにする狙いだ。エボニック・ベンチャーキャピタルの代表を務めるベルンハルト・モーア氏は、「日本は、化学産業が発達し、興味深い研究活動も行われており、非常に革新的な国です。またスタートアップの活動も盛んです。私たちもその一員として関わりたいと願っています。新しい技術やビジネスチャンスにいち早くアクセスできることは、エボニックの既存の活動との相乗効果を見出すうえで、とても重要です」と述べた。 

グローバル・ブレインの8号ファンドは主にバイオテクノロジー、食品・農業技術、クリーンテクノロジー、革新的材料、ディープテックなどの分野で破壊的技術に取り組むスタートアップ企業を投資対象としている。エボニックは今回の投資を通じて、日本市場におけるイノベーションネットワークを拡大していく。投資額は開示しないことで合意した。

エボニックは1969年から日本で事業を展開しており、グループ会社を含めると国内に計15の拠点を持つ。うち5カ所を生産拠点、4カ所を研究所やテクノロジーセンターが占める。研究面では東京工業大学や理化学研究所と密接に連携している。