シーメンスの産業分野が過去最高益に

電機大手の独シーメンスは17日の決算発表で、2022年9月通期の産業分野の税引き前利益(EBT)が前期比17%増の102億7,700万ユーロとなり、過去最高を更新したと発表した。ロシアのウクライナ進攻、高インフレ、コロナ禍のしわ寄せなど事業を取り巻く環境は厳しいものの、同社製ハード・ソフトウエアの需要が旺盛なことから増益を確保。モビリティ(鉄道車両・設備)を除く全部門で利益が拡大した。産業分野の売上高は16%増の682億7,700万ユーロとなっており、売上高税引き前利益率は前期の15.0%から15.1%へと上昇した。

モビリティ部門が減益となったのは対露制裁を受けて5月にロシア事業を停止したため。これに絡んで利益が6億ユーロ押し下げられた。

シーメンス全体の売上高は719億7,700万ユーロで、前期を16%上回った。為替とポートフォリオを調整した実質ベースの増収幅は8%。新規受注高は25%増の890億1,000万ユーロで、BBレシオ(売上高に対する新規受注高の割合)は1.24に達した。

純利益は40%減の37億2,300万ユーロと大きく落ち込んだ。関連会社シーメンス・エナジー(SE)の保有株で4-6月期(第3四半期)に評価損27億ユーロを計上したことが響いた。

受注残高が過去最高の1,020億ユーロに達していることから、同社は2023年9月期も好業績を予想。実質ベースの売上高で6~9%の増加を見込んでいる。

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