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2022/12/2

ドイツ経済ニュース速報

輸入物価の上げ幅2カ月連続で縮小、10月は23.5%に

ドイツ連邦統計局が2日発表した10月の輸入物価指数は前年同月比23.5%増となり、上げ幅は2カ月連続で縮小した。上昇率自体は依然として大きいものの、直近のピークである8月(32.7%)に比べると9ポイント以上、低い。最大の物価押し上げ要因であるエネルギーの上げ幅が緩んできたことが大きい。 エネルギーの上昇率は84.7%となり、前月の135.1%から大幅に縮小した。天然ガスは252.0%から151.4%、電力の取引所価格は172.1%から11.2%、石炭は128.4%から55.0%、石油製品は65.1%から56.0%、原油は52.5%から32.6%へとそれぞれ下がっている。エネルギーを除いたベースでは輸入物価の上昇率が11.6%となり、前月を1.4ポイント下回った。 中間財の上げ幅も前月の15.4%から13.0%に狭まった。肥料・窒素化合物は83.2%(前月148.8%)、紙は41.2%(42.2%)、アルミニウムは23.5%(37.6%)となっている。 投資財は7.9%となり、前月を0.2ポイント下回った。機械は8.8%(9.1%)、自動車・自動車部品は7.8%(7.2%)だった。 耐久消費財は10.7%で、前月を0.3ポイント下回った。 非耐久消費財は前月と同じ14.2%にとどまった。食料品は25.3%(25.0%)で、牛乳・乳製品は34.4%(36.2%)、動植物性油脂は28.6%(32.1%)、食肉・肉製品は27.2%(28.9%)となっている。 農産物は15.5%で、前月を4.0ポイント下回った。豚は92.0%、卵は53.8%、穀物は25.3% 、コーヒー生豆は12.3%だった。 輸入物価指数は前月比では1.2%低下し、2カ月連続で下がった。直近のピークである8月に比べると2.1%低い。エネルギーは5.2%減で、エネルギーを除いたベースでは物価に変動がなかった。 エネルギーでは電力取引所価格が56.2%低下。このほか天然ガスが7.4%、石炭が8.2%、原油が1.4%の幅で下落した。石油製品は7.1%上昇した。 10月の輸出物価指数は前年同月を13.1%上回ったものの、上げ幅は前月に比べ3.7ポイント小さかった。全体を最も強く押し上げたのは中間財で、上昇率15.5%を記録。肥料・窒素化合物は89.5%、紙は34.8%に上った。 輸出物価は前月比では1.9%減となり、2カ月連続で低下した。