独バイオテクノロジー業界の資金調達総額が2022年は9億2,000万ユーロとなり、前年(23億ユーロ)を60%下回ったことが、業界団体ビオ・ドイチュラントの発表で分かった。過去最高となった20年(30億ユーロ)に比べると3分の1以下に落ち込んでいる。
20年は新型コロナウイルス用ワクチンの開発に取り組んだビオンテックとキュアバックの2社で合わせて約15億ユーロを調達。水準が押し上げられた。21年は前年を下回ったものの、ビオンテックとキュアバックを除いたベースでは増加。業界を取り巻く環境は良好だった。
だが、22年はロシアのウクライナ侵攻、エネルギー危機、インフレなどが直撃。資金を調達しにくくなっている。
会員企業を対象とする景況感アンケート調査では、事業の現状を「良い」とする回答が40%となり、前年(64%)から24ポイント減少。今後についても「良くなる」が52%から26%へと半減した。
資金調達環境の悪化を反映し、「研究開発費を増やす」企業は57%から39%へと低下した。「雇用を拡大する」も69%から45%に減っている。