ヨーロッパの最新経済・産業ニュース・企業情報を
欧州経済の中心地ドイツからご提供

2023/1/25

ドイツ経済ニュース速報

「独経済は今年プラス成長に」、政府が予測引き上げ

ドイツ政府は25日、2023年の実質国内総生産(GDP)予測を上方修正した。天然ガス・電力価格高騰の直撃を受ける企業・世帯向けに開始した政府の支援策と、危機に対する経済界の高い対応力を踏まえたもので、従来予測(22年10月)の前年比0.4%減から同0.2%増へと引き上げた。ただ、金利上昇などエネルギー価格高騰以外の足かせ要因も多いことから、成長率は22年(1.9%)に比べ大幅に縮小する。 GDP統計を項目別でみると、個人消費はマイナス0.2%となり、前年のプラス4.6%から大きく悪化する。前年はコロナ規制の緩和でそれまで抑制されていた外食や旅行が急増し水準が押し上げられていたが、今年はエネルギーと物価の高騰を受け消費が抑制される。政府最終消費支出も前年の1.2%増から0.4%減へと縮小に転じる見通しだ。 総固定資本形成では建設投資が2.8%減少する。建材の高騰や住宅金利の上昇が響くためだ。一方、設備投資は企業景況感が急速に改善していることから3.3%増えると予想している。内需全体では前年を0.2%下回る見通し。 輸出は2.2%増加する。輸入の伸び率が1.6%にとどまることから、外需(輸出-輸入)はGDP成長率を0.4ポイント押し上げ、内需の落ち込みを相殺する。 インフレ率は6.0%と高水準が続くものの、前年(7.9%)に比べると低下する。24年には2.8%まで下がると予想している。