値上げ計画の企業が5カ月連続で減少、製紙と化学では値下げが値上げを上回る

Ifo経済研究所が1日に発表した2月のドイツ価格計画指数(DI)は29.1ポイントとなり、前月の35.2ポイント(修正値)から低下した。同指数の下落は5カ月連続。製造、サービス、建設、流通の4部門すべてで数値が下がっている。企業の大半がすでにコスト上昇分を顧客に転嫁したほか、ほぼすべての経済分野で需要が低迷していることが背景にある。調査担当者は「インフレ圧力は今後数カ月で弱まるだろう」と述べた。

Ifoは月例の企業景況感調査の一環として向こう3カ月の販売価格見通しを質問している。企業は「値上げする」「据え置く」「値下げする」のどれかを選んで回答。「値上げする」の回答比率から「値下げする」の回答比率を引いた数に季節要因を加味したものが価格計画指数となる。すべての企業が「値上げする」と答えれば同指数は100ポイントとなり、すべての企業が「値下げする」とすればマイナス100ポイントとなる。

価格計画指数が最も低かった業界はこれまでに引き続き製紙で、マイナス49.8ポイントを記録。4カ月連続でマイナスとなった。化学もマイナス3.9ポイントとなり、値下げ回答が値上げ回答を上回った。

製造業ではこのほか、繊維(2.1ポイント)、ゴム・樹脂製品(6.0ポイント)、食品・飼料(6.8ポイント)で数値が低かった。また、飲料は56.1ポイントと水準が高いものの、前月(71.8ポイント)からは大幅に低下した。自動車は38.8ポイント、データ処理装置は37.1ポイント、機械は35.4ポイント、金属製造・加工は21.5ポイントだった。

サービスでは旅行で70.2ポイントから63.2ポイント、飲食で56.6ポイントから52.7ポイントへと下がった。

流通でも全体的に数値が低下傾向にある。ただ、娯楽家電販売では52.5ポイントから72.7ポイントへと大きく上昇した。

建設は18.7ポイントとなり、2021年4月以来の低水準を記録した。需要の減少が反映されている。

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