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2023/3/10

ドイツ経済ニュース速報

ファイラントのヒートポンプ新工場が稼働へ

暖房機器大手の独ファイラントは10日、スロバキア西部のセニカに新設したヒートポンプのメガ工場が5月から操業を開始すると発表した。同社は炭素中立実現に向けた欧州連合(EU)の取り組みなどを受けてヒートポンプ事業を強化中。新工場の開設により同社のヒートポンプ生産能力は年50万台を大幅に上回る水準へと倍増する。 セニカ工場はヒートポンプの専門工場で、年産能力は30万台に上る。生産施設のほか、設置事業者のトレーニングセンター、ビジターセンター、物流センターを備えている。電力はすべて再生可能エネルギー由来のもので賄い、暖房にはヒートポンプを使用する。同社はヒートポンプこれまで、ドイツ、フランス、英国で生産してきた。 ヒートポンプには2016年からこれまでに総額10億ユーロを投資した。今後も市場動向をにらみながら最大10億ユーロを追加投資する意向だ。生産と研究開発能力の拡張、デジタルサービスの強化に充てる。 暖房メーカーはヒートポンプ事業を積極的に拡大している。ロシアのウクライナ進攻を受けロシア産天然ガスへの依存度を引き下げる必要性が欧州でにわかに高まっているためだ。独競合フィースマンは昨年5月、グリーンな環境ソリューションに今後3年で総額10億ユーロを投資する方針を表明。7月にはポーランド南西部のレグニツァでヒートポンプ工場の定礎式を行った。