ドイツ連邦統計局が20日発表した2月の生産者物価指数(2015年=100)は前月比0.3%減の155.8(暫定値)となり、5カ月連続で低下した。過去最高となった昨年9月(172.5)に比べると9.7%低い水準。物価を最も強く押し上げてきたエネルギー価格が低下していることが大きい。
今回の統計には、政府支援を通して天然ガス、電力料金に上限を設定するルールが反映されていない。3月1日付で施行された同ルールは1月1日にさかのぼって適用されるものの、現時点でこれらの料金がどの程度になるかが統計データ化されていないため、統計局は同ルールを除いたベースで天然ガスと電力の価格を算出した。同ルールを加味したデータが事後的に発表されると、1月と2月の生産者物価は下方修正される見通しだ。
2月のエネルギー価格は前月を1.4%下回り、これまでに引き続き低下した。天然ガスが4.2%下落し、全体が強く押し下げられた格好。電力は2.5%、石油製品は0.5%上昇した。エネルギーを除いたベースでは生産者物価が0.5%上昇した。
エネルギー以外の財はすべて上昇した。上げ幅は中間財が0.1%、投資財が0.4%、耐久消費財が0.2%、非耐久消費財が0.9%となっている。
生産者物価は前年同月比では15.8%上昇したものの、上げ幅は前月の17.6%から縮小した。統計開始後の最高となった昨年8月と9月(ともに45.8%)に比べると30.0ポイント小さい。
エネルギーの上昇率は27.6%に上った。天然ガスは38.9%、電力は27.1%、石油製品は5.1%。エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は10.2%で、前月を0.5ポイント下回った。
中間財は8.6%増と大きく上昇したものの、上げ幅はこれまでに引き続き縮小した。ピーク時の昨年4月は26.0%に上っていた。中間財全体を最も強く押し上げたのはガラス・ガラス製品・セラミック・加工石材で、前年同月を25.4%上回った。このほか穀物粉(33.8%)、肥料・窒素化合物(23.4%)などで上げ幅が大きかった。金属は3.2%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金は1.5%と比較的、小さい。鉄筋は8.2%低下した。
投資財の上昇率は前月を0.1ポイント下回る7.7%だった。全体を最も強く押し上げたのはこれまで同様、機械で9.4%を記録。押し上げ効果が二番目に大きかった自動車・自動車部品は5.6%に上った。
耐久消費財は10.5%で、家具は12.1%だった。
非耐久消費財は17.9%で、食料品は23.4%に上った。砂糖は90.4%、豚肉は58.9%、加工済みジャガイモは49.0%、マーガリン・食用脂は38.9%、牛乳は30.3%、コーヒーは16.7%だった。バターは5.5%、非加工の植物油は8.8%それぞれ下落している。