VWの露資産に差し押さえ命令、元協業先の提訴で

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)がロシアに持つ資産の差し押さえを、露ニジニ・ノヴゴロドの裁判所が命じたもようだ。裁判書類をもとにインターファクス通信が20日、報じた。ロシアのウクライナ侵略まで協業していた現地メーカーGAZが提訴していた。

VWはモスクワ南西のカルーガに完成車工場を持つほか、GAZのニジニ・ノヴゴロド工場に生産の一部を委託していた。だが、ロシアの侵略を受け両工場での生産を停止。GAZへの生産委託契約はGAZに対する米国の制裁が昨年5月に発効したことから正式に解除を通告していた。

これに対しGAZは、契約解除の無効確認と契約罰156億ルーブル(1億9,000万ユーロ)の支払いを求めて提訴していた。

メディア報道によると、カルーガ工場については現地の自動車販売大手アビロンに買収することですでに契約を締結している。同工場が差し押さえられれば、この契約を履行できなくなる可能性がある。