自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループは主力のVWブランド乗用車でコスト削減プログラムを実施する意向だ。VWブランド乗用車のトーマス・シェーファー最高経営責任者(CEO)が従業員に宛てた17日付の文書をもとに『ハンデルスブラット(HB)』紙などが報じたもので、同氏は「危機の時期そして不安定性が続く世界であっても良好で競争力のある利益率を達成できなければならない」と意図を示した。詳細は今後、従業員代表の事業所委員会と詰めていく。
特に生産面でコストを圧縮する考えだ。同氏は「我々(VWグループ)の工場をブランドではなくプラットホームに基づいて編成する」方針を明らかにした。これによりシュコダやセアトなどを含む大衆車ブランド全体で10億(ユーロ)のケタ台のコスト削減を図る。HB紙によると、最低でも年30億ユーロの圧縮を目指すもよう。
VWブランド乗用車の1-3月期の売上高営業利益率は3%にとどまった。シェーファー氏は「危機に真に対応できるためには売上高利益率で持続的に6.5%を確保する必要がある」としている。25年まで6.5%を達成する目標だ。