シーメンスがシンガポールにオートメーション工場

電機大手の独シーメンスは15日、シンガポールにオートメーション・ソリューション工場を設置すると発表した。これまで独アンベルク、中国・成都工場から供給してきた東南アジア市場向け製品を現地生産。急増する同地の需要に対応するとともに、レジリエンスを強化する意向だ。

約2億ユーロを投じ、ハイテク工場を建設する。従業員400人超を雇用する予定。ローラント・ブッシュ社長は現地で、シンガポールはグローバル貿易の要であり、他のアジア諸国と関税協定を締結していると述べた。中国と西側諸国の地政学的な対立は無関係と強調している。

成都工場に1億4,000万ユーロを投じ、生産能力を約40%引き上げることも明らかにした。同工場で製造する製品は今後、主に中国市場に供給する。ブッシュ氏は、同国市場は成長のスピードが速いと述べた。新たに400人を採用する。

今年の投資額は計20億ユーロとなり、過去2年間の合計の2倍以上に達する。受注残高が過去最高に達するなど自社製品の引き合いが強いことから生産能力を引き上げるもようだ。

研究開発費も2022年9月期実績(56億ユーロ)比で5億ユーロ増やす。リアルとデジタルを融合する戦略に基づき、人工知能(AI)と産業メタバースに重点を置く。