Ifo経済研究所が26日発表した6月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は前月を3.0ポイント下回る88.5となり、エネルギー危機が先鋭化していた昨年11月以来の低水準まで落ち込んだ。同指数の低下は2カ月連続で、2カ月間の下落幅は計5.0ポイントに上る。クレメンス・フュスト所長は「特に製造業がドイツの景気を難しい水路へと追いやっている」と述べた。
事業の先行き見通しが特に悪化している。今後6カ月の見通しを示す期待指数は83.6となり、前月を4.7ポイント下回った。直近のピークである4月に比べると8.3ポイントも低い水準だ。現状判断を示す指数は1.1ポイント減の93.7だった。
調査担当者はロイター通信に、「国内総生産が第2四半期も縮小する公算が高まった」との見方を示した。独経済は昨年第4四半期から2四半期連続で縮小し、すでに景気後退局面に入っている。5月と6月の企業景況感が大幅に悪化したことから、第2四半期にプラス成長へと転じる可能性は低いとみられる。
景況感を業界別でみると、製造は大きく落ち込んだ。期待指数が急低下。現状判断も前月を下回った。多くの企業が受注残高の水準が低すぎると判断するようになっている。世界的な利上げの影響で需要が落ち込んでいることが背景にある。
サービスの景況感も悪化した。期待指数の落ち込みが特に大きい。期待指数は製造業低迷のしわ寄せを直接受ける運輸・物流で大幅に下落した。
流通は現状判断がやや悪化、期待指数がやや改善だった。景況感指数の水準自体は極めて低い。
建設では現状判断と期待指数がともに落ち込んだ。景況感の水準は流通同様に低い。