南アの水素経済実現に独が協力

ドイツのハーベック経済・気候相と南アフリカのラモクゴパ電力相は27日、グリーン水素、および電力を他のエネルギーに変換して貯蔵・利用するパワー・トゥ・エックス(PtX)の分野で両国が協力することで基本合意した。まずは南アの電力事情改善と水素経済化、脱炭素化に取り組み、長期的にグリーン水素・アンモニアなどをドイツが同国から輸入できるようにする。

南アフリカは太陽光と風力に恵まれるなど、再生可能エネルギー発電に最適の立地条件を持つ。その一方で、慢性的な電力不足に直面していることから、第一段階として風力、太陽光発電を拡充し、電力を安定供給できるようにする。中長期的には、再生エネを用いてグリーン水素・アンモニアや合成燃料を製造。鉄鋼、セメント、肥料などエネルギー集約型産業の脱炭素化と、産業育成、雇用の創出を図る意向だ。

これを実現するため、両国はグリーン水素の生産、加工、使用、輸送の分野で協業。政府間の意見交換を集中的に行うほか、共同プロジェクト、官学レベルの連携を進める。