値上げ計画の企業9カ月連続で減少

Ifo経済研究所が30日に発表した6月のドイツ価格計画指数(DI)は16.3ポイントとなり、前月の19.1ポイントから低下した。同指数の下落は9カ月連続。ただ、サービス業の多くの分野で数値の低下幅が小さいことから、調査担当者は、消費者物価レベルのインフレ率の低下は極めて緩やかにしか進まないとの見方を示した。

Ifoは月例の企業景況感調査の一環として今後3カ月の販売価格見通しを質問している。企業は「値上げする」「据え置く」「値下げする」のどれかを選んで回答。「値上げする」の回答比率から「値下げする」の回答比率を引いた数に季節要因を加味したものが価格計画指数となる。すべての企業が「値上げする」と答えれば同指数は100ポイントとなり、すべての企業が「値下げする」とすればマイナス100ポイントとなる。

流通業の価格計画指数は14.2ポイントで、前月を4.4ポイント下回った。食品・嗜好品の小売で61.4ポイントから45.6ポイントへと大幅に低下したことが大きい。

建設はマイナス5.4ポイントとなり、値下げ回答が値上げ回答を2カ月連続で上回った。

サービス業全体の数値は明らかにされていないが、飲食は1.3ポイント減の32.9ポイント、旅行代理店は1.0ポイント減の45.5ポイントと下げ幅が小さかった。

製造業は7.7ポイントから6.1ポイントに下がった。製紙(-51.3ポイント)、化学(-33.9ポイント)、ゴム・樹脂製品(-22.7ポイント)、繊維(-21.0ポイント)、ガラス・セラミック(-7.5ポイント)などでは値下げ回答が値上げ回答を大きく上回っている。また食料品は前月の4.2ポイントからマイナス11.0ポイントへと大幅に下がった。飲料(34.1ポイント)、衣料品(38.3ポイント)、データ処理装置(30.7ポイント)、自動車(23.6ポイント)では値上げを予定する企業が特に多い。

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