欧州連合(EU)排出量取引制度(EU-ETS)の対象となるドイツ国内の設備、合わせて約1,730カ所が2022年に排出した温室効果ガスの総量は二酸化炭素(CO2)換算で3億5,400万トンとなり、前年(3億5,500万トン)とほぼ同水準だったことが、連邦環境庁(UBA)の発表で分かった。
最大部門であるエネルギーの排出量は前年比3%増の2億4,200万トンに拡大した。天然ガスの価格高騰と供給不足懸念を受けてCO2排出量の多い石炭発電が増えたことが背景にある。
一方、製造部門では6%減の1億1,200万トンと大きく低下した。エネ価格の高騰を受け生産縮小の動きが広がったためで、減少幅は化学で18%、非鉄金属で15%に達した。
航空部門は55%増の720万トンと急拡大した。コロナ禍で激減していたフライト需要が回復したことが反映されている。