独複合企業ティッセンクルップの電解槽子会社ティッセンクルップ・ヌセラは7日、フランクフルト証券取引所のプライム・スタンダードで新規株式公開(IPO)を実施した。初値は公開価格(20ユーロ)をやや上回る20.20ユーロにとどまったものの、株価はその後、上昇基調へと転じ、16時45分時点で23.58ユーロを付けている。
ヌセラにはこれまでティッセンが66%、伊デノラが34%出資してきた。今回のIPOでは出資比率をそれぞれ最大50.2%、25.9%まで引き下げるとしていることから、両社の比率は計76.1%まで下がる可能性がある。
サウジアラビア国営ファンドPIFと仏銀BNPパリバのファンドは比較的長く株式を保有するコーナーストーン投資家としてヌセラ株を多く、引き受けた。PIFの出資の背景には、サウジアラビアが世界最大の電解槽(容量2ギガワット超)をヌセラに発注したことがあるとみられる。
今回のIPOでは計3,000万株超が公開された。新株はそのうち2,600万株で、ヌセラには約5億2,600万ユーロの公開益が入る。同社はこれを事業の拡大に充てる意向だ。