ドイツ連邦統計局と連邦経済省が7日発表した5月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月比0.2%減の98.6(暫定値)となり、2カ月ぶりに落ち込んだ。エネルギーが大きく減少し、足を強く引っ張った格好だ。
エネルギーは7.0%減の70.2となり、6カ月連続で落ち込んだ。経済の低迷とエネルギー価格の高止まりを背景に需要が鈍っており、数値は15年を約30%も下回った。コロナ禍初期よりも低い水準だ。
製造業は0.2%増加した。投資財が1.3%増えて全体を押し上げた格好で、中間財は0.5%減、消費財は1.2%減だった。
建設業は0.4%減となり、2カ月ぶりに縮小した。
主要産業をみると、自動車・自動車部品が4.9%増えたのに対し、機械は0.5%落ち込んだ。減少幅は製薬で13.1%と特に大きかった。
エネルギー集約型産業は平均で1.4%減少した。コークス・石油加工品(10.5%減)ガラス・ガラス製品・セラミック(3.1%減)、金属製造・加工(1.5%減)、化学品(0.5%減)が減少。製紙(1.2%増)と金属製品(0.1%増)は増加した。エネ集約型産業は前年同月比では12.4%低い水準にある。
3~5月の鉱工業生産は前の期の12~2月を0.2%上回った。