生産者物価が前年同月比でほぼ横ばいに

ドイツ連邦統計局が20日発表した6月の生産者物価指数(2015年=100)は前年同月比0.1%増となり、上げ幅は20年12月以来2年6カ月ぶりの低水準に縮小した。上昇率の低下は9カ月連続。ロシアのウクライナ侵攻開始から1年以上が過ぎたことから、3月以降はベース効果で物価を押し上げる力が弱まっており、川上のエネルギーと中間財では前年同月を割り込んだ。

エネルギーは5.0%減となり、2カ月連続で下落した。電力が12.4%、石油製品が21.1%の幅で低下。灯油の下げ幅は42.4%、自動車燃料は同16.9%に上った。天然ガスは前年同月を2.4%上回ったものの、上げ幅は前月の3.8%から縮小した。

エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は2.8%で、エネルギーを加味したベース(0.1%)を4カ月連続で上回った。ただ、エネルギーの指数自体は15年(100)の2倍強の200.6と、極めて高い水準にとどまっている。

中間財も2.7%減となり、2カ月連続で低下した。金属が10.6%下落。銑鉄・鉄鋼・鉄合金では下げ幅が17.6%、鉄筋では同42.6%に上った。肥料・窒素化合物(-32.0%)、木材(-28.9%)、木製包装材(-26.3%)、二次原料(-24.0%)も大きく下がっている。石灰・焼石膏(+41.3%)、セメント(+31.5%)、中空瓶(+31.2%)、生コンクリート(+26.3%)、工業ガス(+21.3%)、建設用小石・砂(+18.5%)などは大きく上昇した。

投資財は6.3%上昇した。上げ幅は構成比重の大きい機械で7.8%、自動車・自動車部品で5.6%に上っている。

耐久消費財は同6.7%だった。家具は7.3%、白物家電は7.1%となっている。

非耐久消費財は9.4%(前月10.1%)で、食料品は11.1%(同11.9%)に上った。砂糖は91.2%、加工済みジャガイモは35.9%、豚肉は31.1%、果物・野菜製品は19.8%だった。バターは29.3%、非加工の植物油は44.0%の幅で下落した。

生産者物価指数は前月比では0.3%低下した。ピーク時の昨年9月(指数172.5)に比べると13.9%低い水準だ。エネルギーが前月比で0.2%、中間財が同0.9%下がり、全体を押し下げた。非耐久消費財と耐久消費財は各0.1%、投資財は0.2%の幅で上昇した。エネルギーを除いたベースでは同物価の低下幅が0.3%だった。

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