ドイツの物価を昨年、押し上げた主な要因は中間財などの価格上昇と企業の利益であることが、Ifo経済研究所の調査で分かった。それによると、同国で昨年生産された消費財の値上がり幅8.3%のうち5.7ポイントを原料などの中間財とエネルギーコストが占めた。これに製造元の利益が1.4ポイントで続く。調査担当者は「消費に近い多くの分野で需要が旺盛だったことから企業によっては利幅を拡大できた」と指摘。賃金の価格押し上げ効果は0.6ポイントにすぎず、「賃金・物価スパイラルはこれまでのところ発生していない」と明言した。
価格上昇に対する中間財・エネルギーの寄与度が最も大きかった部門は農業で、値上がり幅34.2%のうち14.0ポイントを占めた。これに製造(値上がり幅13.9%)が12.4ポイント、建設(同16.2%)が7.4ポイント、流通・運輸・宿泊・飲食(11.3%)が7.0ポイントで続いた。中間財・エネルギーへの依存度が低い不動産(2.8%)は1.3ポイントにとどまった。
値上がり幅に占める利益の割合が最も高かったのも農業で10.1ポイントに達した。2位は建設で6.5ポイントとなっている。情報・通信はマイナス1.9ポイント、企業向けサービスはマイナス1.0ポイントと値上がり幅を押し下げた。