ドイツ連邦統計局と連邦経済省が4日発表した6月の製造業新規受注指数(2015年=100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月比7.0%増の108.4(暫定値)となり、20年6月以来3年ぶりの大きな上げ幅を記録した。受注増は3カ月連続。前月同様に大型受注で水準が押し上げられており、大型受注を除いたベースでは2.6%減少した。
新規受注を地域別でみると、ユーロ圏(ドイツを除く)が27.2%増えて全体を強くけん引した。航空宇宙分野で大型受注があったことが背景にある。ユーロ圏外は5.0%増、国内は2.0%減だった。
部門別では投資財が9.9%増となり、全体を強くけん引した。ユーロ圏が42.4%増加したことが大きい。
中間財は2.0%増え、2カ月ぶりに拡大した。ユーロ圏が6.2%増、ユーロ圏外が8.2%増と大幅な伸びを記録。国内は3.4%減となり、2カ月連続で落ち込んだ。
消費財は7.7%増加した。ユーロ圏外が19.5%増えて全体を強く押し上げた。ユーロ圏は5.6%増、国内は1.6%減だった。
業界別では「その他の輸送機器」が89.2%増となり、前月に引き続き急拡大した。前月に大幅減となった電気装置は9.6%増加。製薬(7.0%増)と機械(5.1%増)も伸び率が大きかった。自動車・自動車部品は前月の大幅増から7.3%減へと悪化し、データ処理装置も3.3%落ち込んだ。
5月の製造業新規受注は当初の前月比6.4%増から同6.2%増へと下方修正された。
新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、4~6月は前期(1~3月)比で0.2%減少した。
6月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を1.6%下回った。5月については2.7%増から3.4%増に上方修正された。