6月鉱工業生産1.5%減少、今後の見通しも暗く

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が7日発表した6月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月比1.5%減の96.4(暫定値)となり、2カ月連続で落ち込んだ。製造業と建設業が振るわず、全体が強く押し下げられた。経済省は企業景況感の低迷を踏まえ、本格回復の兆しは見えないと指摘。コメルツ銀行のチーフエコノミストはロイター通信に、メーカーの受注残消化の進展と新規受注の低迷を念頭に、下半期の国内総生産(GDP)は再びマイナス成長に落ち込む恐れがあるとの見方を示した。

製造業の生産指数は1.3%減少した。投資財が3.9%減って全体を押し下げた格好で、中間財は0.4%増、消費財は1.8%増だった。

エネルギーは0.6%増となり、7カ月ぶりに拡大した。ただ、経済の低迷とエネルギー価格の高止まりを背景に指数は69.1と、基準値の15年(100)を30%以上、下回っている。前年同月に比べても20%以上、低い水準だ。

建設業は2.8%減となり、3カ月ぶりに縮小した。

主要産業をみると、 前月に5.8%増となった自動車・自動車部品は3.5%減少。機械も1.3%落ち込んだ。製薬は前月の13.3%減から7.9%増へと好転した。

エネルギー集約型産業は平均1.1%増となり、これまで減少にひとまず歯止めがかかった。化学品が3.5%、コークス・石油加工品が15.3%の幅で伸びたことが大きい。金属製造・加工(3.1%減)、製紙(2.3%減)、ガラス・ガラス製品・セラミック(0.7%減)は減少した。エネ集約型産業は前年同月比では12.2%低い水準にある。

4~6月の鉱工業生産は前の期の1~3月を0.6%下回った。エネルギー集約産業では下落幅が3.4%に上った。

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