自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が15日に発表した8月のグループ新車販売台数は前年同月比5.7%増の74万100台となり、これまでに引き続き拡大したものの、伸び率は3カ月連続で1ケタ台にとどまった。国別の最大市場である中国の不振が引き続き響いた格好だ。南米も15.8%減の4万3,800台と振るわなかった。
中国自動車工業協会(CAAM)によると、同国の8月の自動車販売台数は前年同月を8.4%上回った。激しい値引き競争を背景に乗用車と商用車がともに伸びた。VWも値引きを行ったものの、現地メーカーに比べ販促規模が小さかったことから販売減となったもようだ。販売が落ち込むのは3カ月連続。
中国と南米以外の地域はすべて増加した。足元の西欧は21.1%増の23万1,900台、中東欧は24.5%増の3万9,300台、北米は14.0%増の8万7,400台、中国を除くアジア太平洋は8.8%増の2万9,600台、中東・アフリカは26.2%増の3万100台となっている。
ブランド・グループ別でみると、大衆車(ブランド・グループ・コア)は4.4%増の54万200台となった。主力のVWブランド乗用車は1.7%減の41万2,100台となり、3カ月連続で後退したものの、シュコダ(18.9%増)、セアト/クプラ(53.6%増)、VWブランド商用車(23.6%増)が前月に引き続き大きく伸びて全体を押し上げた。
高級車(ブランド・グループ・プログレッシブ)は13.2%増の14万9,900台で、主力のアウディは13.6%増の14万8,200台。ポルシェを対象とするスポーツ車(ブランド・グループ・スポーツラグジュアリー)は1.5%減の2万3,600台となり、3カ月連続で落ち込んだ。
商用車(ブランド・グループ・トラックス)は0.5%増の2万6,500台と小幅な伸びにとどまった。MANは24.8%増8,600台と大きく伸びたものの、VWトラック・アンド・バスが33.1%減の3,500台と振るわず足を強く引っ張った格好だ。スカニアは1.7%増の6,400台、ナビスターは0.5%増の8,000台だった。
1~8月のグループ販売台数は588万5,400台で、前年同期を11.0%上回った。中国(3.3%減)を除いてすべて増加。増加幅は西欧で25.5%、中東欧で13.4%、北米で12.1%、南米で9.8%、中国を除くアジア太平洋で11.5%、中東・アフリカで30.4%に上った。ブランド・グループ別では大衆車が9.7%増、高級車が14.9%増、スポーツ車が9.8%増、商用車が17.8%増だった。