mRNAベースのサル痘ワクチン開発でビオンテックが国際機関と協業

バイオ医薬品大手の独ビオンテックは18日、エムポックス(サル痘)を対象とした伝令RNA(mRNA)ベースのワクチン開発で国際機関「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」とパートナーシップを締結したと発表した。パンデミックに発展した感染症のワクチンを100日以内に開発するとしたCEPIの目標実現に寄与する考えで、まずは第1/2相臨床試験を実施する。

エムポックスはサル痘ウイルスが引き起こす感染症で、1970年に人での感染がアフリカで初めて確認された。2022年には流行国への渡航歴がないにもかかわらず感染するケースが世界各地で報告された。

サル痘は天然痘と同様にオルソポックスウイルス属に属する。オルソポックスウイルス属に対する人の免疫力は天然痘の撲滅(1980年)後、低下し続けており、医療関係者などの間では警戒が強まっている。

ビオンテックはエムポックス感染の報告が出始めた22年5月、対応するmRNAワクチン「BNT166」の開発プログラムに着手した。今後196人を対象に第1/2相臨床試験を行う。CEPIから最大9,000万ドルの支援を受ける。

開発に成功し量産に漕ぎ着ければ、エムポックス流行時にワクチンを速やかに接種できる体制を構築できる。また、取得されたデータをもとにオルソポックスウイルス属が将来引き起こす感染症のワクチンを迅速に開発できる。