ドイツからインドへの機械輸出高が2022年は前年比28.1%増の38億6,800万ユーロとなり、過去最高を更新したことが、ドイツ機械工業連盟(VDMA)の10日の発表で分かった。インド経済急成長のほか、中国に強く依存するリスクを独メーカーが強く意識するようになったことが背景にあり、世界経済が低迷した23年上半期も前年同期比7.4%増の19億6,900万ユーロと好調だった。カール・ホイスゲン会長はデリーで記者会見し、「インドは現在、中国の今後の成り行きに対する懸念の増加からも利益を受けている。レジリエンス、リスク低減、多様化という課題はこの亜大陸(インド)の魅力をますます高めている」と明言した。欧州連合(EU)とインドの自由貿易協定(FTA)締結に大きな期待をかけている。
インドに事業拠点を持つVDMA加盟企業は現在およそ600社に達した。そのうち約170社は生産ないし組み立て拠点を持っている。独機械業界の対インド直接投資額は21年時点で19億ユーロとなり、16年比で50%以上、拡大した。
VDMAは2000年、同連盟初の現地事務所を印東部のコルカタに開設した。現在はデリー、ムンバイ、バンガロールにも拠点を構える。
ドイツからインドへの輸出高が最も多い製品分野は駆動装置で、22年は全体(38億6,800万ユーロ)の12.0%を占めた。これに繊維機械が8.8%、樹脂・ゴム機械が6.7%、バルブが5.4%で続く。
インドの22年の機械輸入高は320億1,200万ユーロに上った。最大の輸入先国は中国で、シェアはダントツの39.1%に達した。これにドイツが11.6%、日本が7.5%、米国が5.9%、韓国が5.6%、イタリアが5.4%で続く。中国以外はシェアが低下傾向にある。