ビオンテックが利益確保

バイオ医薬品大手の独ビオンテックが6日発表した2023年7-9月期決算の純利益は1億6,060万ユーロとなり、前年同期の17億8,490万ユーロから激減した。新型コロナウイルス用ワクチンの需要が大幅に減っていることが背景にある。ただ、同ワクチンで協業する米製薬大手ファイザーと、競合関係にある米モデルナはともに赤字へと転落しており、それに比べると業績は良好だ。イエンス・ホルシュタイン取締役(財務担当)は、利益とコストを分け合うパートナーシップ事業モデルが奏功したとしている。

売上高は8億9,530万ユーロで、前年同期(34億6,120万ユーロ)の約4分の1に減少。営業利益は23億8,750万ユーロから33分の1の7,310万ユーロに縮小した。

新型コロナワクチンの売上高で23年12月期に約50億ユーロを確保するとした従来予測については約40億ユーロに下方修正した。

同社はもともとがん治療薬の開発に軸足を置いてきた。この分野では臨床試験が順調に進んでいる。