住友商事は17日、英領北海南部で設定されている二酸化炭素(CO2)貯留権益2件を取得したと発表した。英国のCO2貯留権益を直接獲得するのは日系企業で初めて。英子会社サミット・エナジー・エボリューション(SEEL)を通じてアメシストガス田とウエスト・ソールガス田の権益(CS017、CS018)をそれぞれ10%取得した。CO2輸送・貯留事業の実績を積み重ねて知見を得、米州やアジア大洋州地域への事業展開を目指す。
住友商事が権益を取得したプロジェクトは、両ガス田のガス生産を終了した地層にCO2を貯留するというもの。英石油・ガス会社ペレンコUKが権益の80%、住友商事と英CO2回収・貯留(CCS)事業者カーボン・キャタリストがそれぞれ同10%を持つ。
今後は地下データの解析による貯留可能量の精緻化、漏洩リスクの分析、設備計画やモニタリング計画の作成などの事業性評価、および英国政府による商業化のための許認可取得を経て、2029年に開発に踏み切るかどうかを決定。31年に年150万トンの圧入を開始し、その後、段階的に600万トンへと引き上げていく。