製薬大手の独ベーリンガー・インゲルハイムは22日、がん治療薬の開発を手がけるスイスのスタートアップ企業T3ファーマシューティカルズを買収すると発表した。がん治療薬分野の開発パイプラインを拡充するとともに、既存の研究・開発プログラムとの相乗効果を引き出す狙い。取引価格は最大で4億5,000万スイスフランに達する。
T3ファーマはバーゼル大学バイオセンターからのスピンオフとして2015年に設立された。バーゼル近郊のアルシュヴィルに拠点を置く。
固形がん治療薬の開発を専門に行っている。細菌を用いて免疫調整タンパク質をがん細胞、および腫瘍を取り囲む複雑な生態系である腫瘍微小環境に送り込む技術を持つ。開発中の製品「T3P-Y058-739」は現在、第1相臨床試験が行われている。