シェフラーがヴィテスコへのTOB価格引き上げ

軸受大手の独シェフラーは27日、独パワートレイン大手ヴィテスコに対する株式公開買い付け(TOB)の買い取り提示額を引き上げた。TOB価格が低すぎるとの批判がヴィテスコとその株主から強く出されていたことを受けたもの。ただ、ヴィテスコはシェフラーの新たな提示額についても適切でないとの見解を表明しており、TOBが成功するかどうかは定かでない。

ヴィテスコは、シェフラーが46%出資する自動車部品大手のコンチネンタルから2021年に分離・独立した企業。シェフラーのオーナー一族はヴィテスコ株を50%弱、保有している。

シェフラーは10月、TOBを通してヴィテスコを買収する意向を表明した。1株当たりの買い取り価格は91ユーロだった。今回これを94ユーロに引き上げた。ヴィテスコは新提示額に不満を表明しているものの、シェフラーのクラウス・ローゼンフェルト社長はさらなる引き上げはないと明言した。

シェフラーはヴィテスコの吸収・合併を目指している。ヴィテスコもこの計画には賛成しており、両社は同日、企業合併契約(BCA)を締結した。来年第4四半期の合併手続き完了を目指している。