欧州初の完全仮想化5Gネットワーク、楽天が独社向けに共同構築

楽天グループ8日、同社と独通信事業者1&1、米マベニアがオープンRAN技術に基づく欧州初の完全仮想化5Gネットワーク「1&1 O-RAN」を構築し、1&1がドイツ国内で携帯キャリアサービスの提供を開始したと発表した。1&1は昨年12月から同ネットワークによる固定無線アクセス(FWA)サービスを提供している。今回、携帯電話サービス(eMBB)の提供を開始したことで、1&1 O-RANはドイツ全土で稼働した。楽天は2021年、1&1から5G通信網の構築を受注していた。

オープンRANは無線送受信装置などの仕様をオープンにして、複数メーカーの機器やシステムを相互接続できるようにした無線アクセスネットワーク(RAN)。特定メーカーへの依存を避け、RANを自由に構築できることから、電気通信サービス事業者の間でニーズが高まっている。

1&1 O-RANは楽天の主要なソフトウエアとプラットホーム、マベニアのコアネットワークを採用して効率的に制御される。1&1のラルフ・ドマーマス最高経営責任者(CEO)は、「1&1は楽天が日本において世界で初めてオープンRANベースの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを運用する中で得た豊富な経験の恩恵を受けています。1&1 O-RANでの携帯電話サービスの開始は、当社の歴史の中で大きなマイルストーンとなります」と述べた。

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