半導体大手の独インフィニオンは25日、中国のパワーエレクトロニクス企業シンセン・シネクセル・エレクトリック(深圳市盛弘電気)と協業すると発表した。シネクセルの蓄電インバーター/コンバーター向けにSiC半導体デバイスを供給。シネクセル製品の性能向上に寄与する。シネクセルの役員は「インフィニオンのSiC部品を投入することで、シネクセルの蓄電製品はよりコンパクトでフレキシブルになります。エネルギー効率は高まりロスは減り、システムの熱損失コストが低下します」と述べた。
インフィニオンは1200ボルト「CoolSiC」MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスター)パワー半導体デバイスを、「EiceDRIVER」シングルチャンネル絶縁ゲートドライブICとともにシネクセルに供給する。システム効率を従来のソリューションより1%高い最大98%に高めることができるとしている。
中国では気候中立実現に向けた政策を追い風に蓄電池市場が急成長している。2023年の国内設置容量は8.63ギガワット時(GWh)となり、22年までの累計設置容量と同水準に達した。シネクセルはインフィニオンのデバイスを使用することで競争力を高め、需要を取り込む考えだ。