ドイツ連邦統計局が31日に発表した2023年の小売売上指数(自動車販売店を除く、
暫定値)は物価調整後の実質で前年を3.3%下回った。名目売上は高インフレの作
用で2.3%増えたものの、消費者の支出抑制が響き実質ベースでは2年連続で減少し
た。統計開始(1994年)後の最高となった21年に比べると3.9%低い。
23年の小売売上を部門別でみると、食料品店は前年を3.9%割り込んだ。名目は
5.9%増えたものの、食品価格の上げ幅が12.4%に達したことから実質ベースでは
マイナスとなった。
非食料品店の売り上げも3.1%落ち込んだ。支出抑制のほか、比較対象の22年はコ
ロナ禍のリベンジ消費で過去最高を記録していたことから、その反動が出たという
事情もある。通販は3.9%減となり、2年連続で縮小。家具・白物家電・DIY用品販
売店は7.4%減と下落幅が特に大きかった。
繊維・衣料品・靴・革製品販売店は2.6%増となり、2年連続で拡大した。コロナ禍
による激減からの回復が続いている。ただ、コロナ禍前の19年に比べると1.3%少
なく、回復し切れてはいない。