ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日に発表した2023年12月の製造業新規受注指数
(15年=100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を
8.9%上回る103.7(暫定値)となり、コロナ禍初期の2020年6月以来の大幅増を記録
した。受注の拡大は3カ月ぶり。大型受注で水準が強く押し上げられており、その効
果を除いたベースでは2.2%減少した。経済省は景況感の低迷を踏まえ、24年第1四半
期中に製造業の景気が回復することはないとの見方を示唆した。
新規受注を地域別でみると、国内が9.4%、国外が8.5%増加。国外ではユーロ圏(ド
イツを除く)が34.5%増と急拡大した。ユーロ圏外は7.5%減少した。
部門別では投資財が10.9%伸びた。ユーロ圏が72.3%増となり全体をけん引。国内も
4.5%増えた。ユーロ圏外は14.7%落ち込んだ。
中間財は8.3%増えた。国内が14.7%、ユーロ圏外が6.9%増加。ユーロ圏は4.4%縮
小した。
消費財は1.3%減となり、3カ月ぶりに後退した。国内は12.8%増えたものの、10月と
11月に2ケタ増を記録したユーロ圏が反動で22.9%減少。全体が強く押し下げられ
た。ユーロ圏外は5.8%増だった。
分野別では、その他の輸送機器(航空機、船舶、鉄道車両など)が110.9%増、電気
装置が38.7%増と伸び率が特に大きかった。金属製造(18.0%増)と製薬(8.2%
増)も好調だった。自動車・自動車部品は14.7%減と大きく落ち込み、機械(5.3%
減)と化学品(3.7%減)も振るわなかった。
11月の製造業新規受注は当初の前月比0.3%増から同横ばいに下方修正された。
新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、10〜12月は前期
(7〜9月)比で0.1%増加した。大型受注を除いたベースでは2.6%減だった。
23年の製造業新規受注は物価調整後の実質に営業日数を加味したベースで前年比
5.9%減となった。中間財が8.7%、投資財が3.8%減少。投資財では主力の自動車・
自動車部品が4.5%減、機械が11.9%減と振るわなかった。その他の輸送機器は
34.7%増えた。
12月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベー
スで前月を0.1%下回った。23年は前年比0.3%増(実質に営業日数を加味したベー
ス)だった。