ドイツのハーベック経済・気候相とアルジェリアのムハンマド・アルカブ・エネル
ギー・鉱業相は8日アルジェリアの首都アルジェで、グリーン水素分野の協業で基
本合意した。アルジェリアでのグリーン水素インフラ構築と生産をドイツが支援す
る。同国産の水素を独・欧州連合(EU)が輸入し、エネルギー安全保障の強化と炭
素中立の実現につなげる狙いがある。
二国間のタスクフォースを立ち上げるほか、水素生産のパイロット施設を設置す
る。また、水素とその誘導体の生産・貯蔵・輸送の枠組み条件を整備して、両国の
民間投資を喚起する。ドイツは技術やノウハウ面で支援を行う。グリーン水素の生
産に必要不可欠な太陽光・風力発電についてもアルジェリアが拡大できるようにす
る。
今回の基本合意に先立ち、両国は欧州委員会、イタリア、オーストリア、チュニジ
アの代表と円卓会議を開き、再生エネ拡充のポテンシャルと課題、資金、輸送など
について協議した。会議参加国は北アフリカで生産した水素を伊墺経由でドイツに
輸送するパイプライン「サウスH2回廊」の創設を計画しており、アルジェリア産の
水素は同パイプラインで欧州に輸送される見通し。アルジェリアは2040年までにEU
の水素需要の10%を賄うことを目指している。