照明大手amsオスラムがキャンセルで巨額評価損、アップルとの取引か

墺独照明大手amsオスラムは28日付の適時開示で、2024年12月期に評価損6億〜9億
ユーロを計上する見通しを明らかにした。同社の今後の成長の柱と目されてきたマイ
クロLEDの分野で最大の顧客から突然、キャンセルの通告を受けたため。同社はこの
顧客名を伏せている。仏銀オッドBHFによると、米IT大手アップルとみられる。
マイクロLEDはLEDを用いたフラットパネルディスプレー技術。既存のバックライト方
式の液晶ディスプレーに比べコントラスト、応答速度、エネルギー効率が優れてい
る。コストが高いため、現時点では普及度が低い。
amsオスラムはマレーシアのクリムで同社初の8インチマイクロLED工場を建設してい
る。今回のキャンセルを受け、同工場で創出する付加価値が大幅に下振れする見通し
となったことから、評価損計上が避けられなくなった。24年12月期は営業利益
(EBIT、調整済み)も3,000万〜5,000万ユーロ押し下げられる見通しだ。
同社は中期の売上成長率についても従来目標の「6〜10%」から「6〜8%」に下方修
正した。現在実施しているコスト削減措置を強化するとしている。