商工業施設向けに分散型再生可能エネルギーのソリューションを提供する独スター
トアップ企業エンヴィリア(ENVIRIA)は2月29日、世界最大の資産運用会社である
米ブラックロックが同社に資本参加することで合意したと発表した。ブラックロッ
クは傘下のグローバル・リニューアブル・パワー・ファンド�(GRP �)を通して
2億ドル超を出資。エンヴィリアの事業拡大を支援する。出資比率は明らかにして
いない。
エンヴィリアはフランクフルトに本社を置く2017年設立の企業で、従業員数は200
人。商工業施設の屋上に太陽光発電設備を設置・運営するサービスを計画やファイ
ナンス、充電ステーション・蓄電池との接続も含めて一手に提供している。屋上を
借り受けてソーラー発電を自ら行い、売電する事業も展開する。
これまでに500件のプロジェクトを実施した。開発中のパイプラインは現在、件数
がおよそ2,000件、発電容量が23ギガワット(GW)強に上る。ブラックロックは資
金のほか、再生エネ分野のプロジェクトを通して培ってきた豊富なノウハウをエン
ヴィリアの支援に活用する。
ドイツの消費電力に占める企業の割合は約70%に上る。その一方で、ソーラー発電
設備を備えるのは設置に適した商工業施設の屋上の約10%にとどまる。エンヴィリ
アは数百GWを設置できる余地があるとみて精力的に市場の開拓を進めている。