1月の製造業新規受注2ケタ減に、大型受注の減少で

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が7日に発表した1月の製造業新規受注指数(2021年=
100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を11.3%下回
る81.3(暫定値)となり、コロナ禍初期の2020年4月以来の大幅減を記録した。比較
対象の12月は大型受注の効果で水準が強く押し上げられており、その反動が出た格
好。大型受注を除いたベースでは減少幅が2.1%だった。経済省は最新の企業景況感
調査結果などを踏まえ、製造業の景気は第1四半期中に安定してくるとの見方を示し
た。製造業新規受注指数は今回の統計から、基準年が従来の15年から21年へと改めら
れた。
新規受注を地域別でみると、国内が11.2%、国外が11.4%減少。国外ではユーロ圏
(ドイツを除く)が25.7%減と大幅に縮小した。比較対象の前月は34.3%増えてお
り、そのベース効果が出た。ユーロ圏外は1.6%増加した。
部門別では投資財が13.1%落ち込んだ。ユーロ圏が39.3%減少。国内も8.5%低下し
た。ユーロ圏外は7.7%増えた。
中間財も9.3%低下した。国内が14.6%、ユーロ圏外が9.1%減少。ユーロ圏は4.2%
増加した。
消費財は5.7%減となり、2カ月連続で後退した。国内が6.5%、ユーロ圏外が9.4%減
少。ユーロ圏は0.4%拡大した。
分野別では、前月に大きく伸びた電気装置が33.2%減、その他の輸送機器(航空機、
船舶、鉄道車両など)が27.3%減、金属製品が14.5%減、製薬が9.4%減と大幅に縮
小。機械は4.7%減となり、前月(4.9%減)に引き続き振るわなかった。自動車・自
動車部品は前月の5.8%減から4.2%増に好転した。
12月の製造業新規受注は当初の前月比8.9%増から同12.0%増へと大幅に上方修正さ
れた。
新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、11〜1月は前期
(8〜10月)比で2.3%増加した。
1月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベー
スで前月を2.0%下回った。12月については当初の0.1%減から1.3%増へと上方修正
された。

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