半導体大手の独インフィニオンは14日、中国の半導体材料メーカー英諾賽科(イノサ
イエンス・テクノロジー)がGaN(窒化ガリウム)技術の米国特許を侵害していると
してカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提訴したことを明らかにした。自社
開発したGaNパワー半導体のコア技術を巡るもので、差し止めを請求している。
問題となっている特許は自動車、データセンター、太陽光発電、駆動装置、娯楽家電
など幅広い分野で使用されるGaN半導体の主要な技術。同技術を用いた製品の生産、
使用、販売、米国への輸出を通してイノサイエンスがインフィニオンの特許を侵害し
ていると主張している。
インフィニオンのパワー&センサー・システムズ(PSS)部門を統括するアダム・ホ
ワイト氏は、「インフィニオンは約20年に渡るGaNの経験を通して、各最終製品の最
高の性能に必要な卓越した品質を保証できる。我々は当社の知財権を精力的に保護
し、すべての顧客と最終消費者のために行動する」と発言。差し止め訴訟を通して特
許侵害による売り上げの減少だけでなく、顧客企業と消費者が不利益を被ることも防
ぐ意向を表明した。