VWグループ1-3月期販売3%増加、西欧減少も中国が拡大

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が10日に発表した1-3月期のグループ新
車販売台数は210万4,300台となり、前年同期を3.1%上回った。足元の西欧は0.7%
減の79万100台と振るわなかったものの、国別で最大の市場である中国が7.6%増と
69万3,600台と好調だった。
その他の市場は中東欧が2.3%増の11万6,600台、北米が4.8%増の22万7,100台、南
米が14.4%増の11万8,500台、中東・アフリカが6.8%増の8万7,200台に拡大。中国
以外のアジア太平洋は16.0%減の7万1,200台に落ち込んだ。
ブランド・グループ別でみると、大衆車(ブランド・グループ・コア)が6.2%増
の154万3,500台となり、全体をけん引した。VWブランド乗用車が5.7%増の107万9,
700台、シュコダが5.2%増の22万500台、セアト/クプラが10.6%増の13万8,600
台、VWブランド商用車が7.8%増の10万4,800台とすべて前年同期を上回った。
高級車(ブランド・グループ・プログレッシブ)は4.7%減の40万2,000台に落ち込
んだ。主力のアウディは4.5%減の39万6,900台。ポルシェを対象とするスポーツ車
(ブランド・グループ・スポーツラグジュアリー)は3.9%減の7万7,600台だっ
た。
商用車(ブランド・グループ・トラックス)も4.1%減の8万1,100台と振るわな
かった。スカニアは16.8%増の2万6,400台と大きく伸びたものの、そのほかのブラ
ンドは減少。VWトラック・アンド・バスは5.1%減の1万1,500台、MANは12.3%減の
2万3,900台、ナビスターは14.5%減の1万9,300台に落ち込んだ。
3月のグループ販売台数は80万600台で、前年同月を1.4%下回った。北米(12.3%
増)と南米(17.0%増)が増加した以外はすべて減少。減少幅は西欧で3.4%、中
東欧で7.0%、中国で2.4%、中国以外のアジア太平洋で13.8%、中東・アフリカで
8.7%に上った。
主要ブランドの販売台数をみると、VWブランド乗用車は1.2%増の39万8,400台、ア
ウディは9.7%減の15万9,000台、シュコダは0.5%増の8万2,600台、ポルシェは
9.8%減の2万8,600台だった。商用車は1.4%落ち込んだ。

■BEVは−3%

1-3月期の電気自動車(BEV)販売台数は前年同期比3.3%減の13万6,400台に後退し
た。西欧が24.3%減の7万4,400台、米国が16.2%減の1万3,200台と振るわず、足を
強く引っ張った格好。中国は91.2%増の4万1,000台、その他の地域は40.6%増の7,
800台と大きく伸びた。グループ販売台数に占めるBEVの割合は6.9%から6.5%に縮
小した。
主要ブランドをみると、VWブランド乗用車は2.6%減の6万8,200台、アウディは
3.0%増の3万5,600台、シュコダは12.3%増の1万4,000台、VWブランド商用車は29.
4%増の7,100台、セアト/クプラは24.0%減の7,000台だった。
1-3月期のBEVの新規受注台数は前年同期を154%上回った。受注残は約16万台に上
る。新規受注は販売が振るわなかった西欧でも増えたという。