シーメンスEが風力タービン子会社再編、陸上は欧米に集約

エネルギー設備大手の独シーメンス・エナジーは8日、風力発電タービン子会社
シーメンス・ガメサの再編方針を発表した。ガメサでは深刻な品質不良問題が発生
し、シーメンス・エナジーの業績が大幅に押し下げられている。再編を通してそう
した問題が起こらないようにするとともに、収益力を改善する意向だ。
品質問題が起きた陸上風力タービン事業では今後、活動対象とする市場を基本的に
欧州と米国に絞り込む。規制の枠組みが安定しているためだ。ガメサの製品ポート
フォリオが顧客のニーズに見合うとともに利益を稼げるという事情も大きい。その
他の市場では新規受注の受付を採算が合う案件に制限する。新設事業とサービス事
業の一体化も進める。
洋上風力タービン事業では将来の需要拡大を見据え、生産能力を拡大する。独クー
クスハーフェン、デンマークのオールボー、仏ルアーブルでの工場拡張を計画通り
に進める意向だ。
組織全体についてはヒエラルキーの数を減らすとともに責任を明確化する。
陸上風力タービン事業では活動市場の集約に伴い生産能力を縮小することから、人
員削減を実施する。削減対象となる従業員には可能な限り他の部署・部門への異動
を打診。人員整理の規模を抑制する。