暖房大手ファイラントが人員削減へ

暖房機器大手の独ファイラントは13日、管理部門で人員削減を実施すると発表した。
欧州市場の悪化を受けた措置。管理業務の効率化を通して競争力を引き上げる。
従業員700人を削減する。人員整理は退職による自然減と自主退社プログラムを通し
て進める方針で、経営上の理由による解雇は可能な限り回避する意向だ。
欧州暖房機器市場は昨年、およそ10%縮小した。建築需要低迷のほか、環境に優しい
暖房の普及促進法案をめぐる論争が響いた格好で、特に下半期が振るわなかった。こ
の傾向は今年に入っても続いていることから、同社は人員削減に踏み切る。
中・長期的には需要が再び拡大するとみている。ファイラントは暖房の製品ポート
フォリオを拡充するとともに、デジタルサービス分野では従業員を含めてキャパシ
ティを拡大する意向だ。本社所在地レムシャイトでは今秋、電子部品工場を予定通り
開設する。
2023年の売上高は前年比3%増の38億ユーロに拡大した。ヒートポンプ分野では売上
成長率が約50%に達した。
同社の従業員数は1万7,500人で、ドイツはそのうち5,000人を占める。

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