自動車部品大手の独コンチネンタルは16日、ポルトガル北部のロウザドにあるタイヤ
工場で電力をエネルギー源とするスチーム加硫機を投入すると発表した。電力には再
生可能エネルギーを100%使用。天候などの条件が整えば同工場では今年から炭素中
立の生産が可能になるとしている。
タイヤの生産では加熱で化学反応を起こし数種類のゴムを一体化して製品に仕上げる
スチーム加硫工程で大量のエネルギーを消費する。加硫に必要なエネルギー源にはこ
れまで天然ガスが使われてきた。
同社はロウザド工場に電力ベースのスチーム加硫機1台を投入。電力をもっぱら再生
エネとすることで二酸化炭素(CO2)の排出を回避する。再生エネは工場屋上の太陽
光発電パネルと、外部からの調達で確保する。十分な量の再生エネを確保できれば、
炭素中立の生産が実現する。十分な量を確保できない場合は天然ガスベースの従来型
スチーム加硫機も用いる。
同工場は年産能力1,800万本のメガプラント。タイヤ部門の生産事業を統括するベル
ンハルト・トリケン氏は、「巨大なタイヤ工場であっても炭素中立の生産が可能であ
ることを当社はロウザド工場で証明する」と胸を張った。
ロウザドは1日当たりの日照時間が平均7時間と長く、冬季でも4時間に上る。コンチ
ネンタルはこうした好条件を得られない工場も持つことから、そうした工場で炭素中
立を実現するための方法を今後、模索していく。2040年までにすべてのタイヤ工場で
炭素中立を実現する目標だ。