「インフィニオンのアダプターとパワー半導体を投入すれば(全世界のデータセン
ター=DCの)電力消費量を年48テラワット時(TWh)低減できる」――。生成AI(人
工知能)利用の急速な拡大を背景にDCの電力使用量が急増することを念頭に、同社の
パワー&センサー システムズ (PSS) 事業を統括するアダム・ホワイト氏が24日付
『フランクフルター・アルゲマイネ』紙で明言した。
生成AIの学習には大量の電力を消費する画像処理装置(GPU)が使われる。このため
学習のデータ処理が行われるDCの電力使用量は生成AIの利用増加に比例して拡大する
見通しだ。世界の電力消費量に占めるDCの割合は従来の最大2%から7%に増加すると
している。ホワイト氏は同7%がインドの全電力消費量に匹敵する規模だと指摘した
うえで、インフィニオンのパワー半導体などを用いればポルトガルの全消費量に当た
る48TWhを節約できると述べた。
同社はAIデータセンター向けに近い将来、大容量の電源ユニット(PSU)を市場投入
する。8キロワット(kW)と12kWの製品を計画している。現在の製品(3kWと3.3kW)
からは大幅にパワーアップすることになる。
インフィニオンではAIソリューションの売上高が年数十パーセントの急スピードで拡
大しており、今後数年で現在の「1億ユーロのケタ台の低い領域」から「10億ユーロ
超」に達する見通し。同氏は、PSU分野の製品ポートフォリオはパワー半導体市場で
の同社の主導的な地位強化に寄与するとの見方を示した。