ドイツ連邦統計局が24日に発表した2024年第1四半期の国内総生産(GDP)は物価調整
後の実質に季節要因と営業日数を加味したベースで前期を0.2%上回った。プラス成
長は2四半期ぶり。内需は低迷したものの、輸出が伸びて全体が押し上げられた。
個人消費(民間最終消費支出)は0.4%減少した。インフレ率低下の効果はこれまで
のところ消費に波及していない。特に食料品と衣料品が振るわなかった。政府最終消
費支出も0.4%縮小した。
総固定資本形成は1.2%増加した。異例の暖冬が追い風となり、建設投資が2.7%増え
たことが大きい。高金利・資材高など逆風基調は変わっていないことから、建設投資
は今後再び減少する可能性が高い。設備投資は0.2%減、その他の投資は1.1%減だっ
た。在庫調整は寄与度が0ポイントで、GDP成長率を押し上げも押し下げもしなかっ
た。内需の成長率は0%にとどまった。
輸出は1.1%増となり、4四半期ぶりに拡大へと転じた。サービスの輸出は2.9%減少
したものの、物品の輸出が2.1%増え全体が押し上げられた。輸入は0.6%の増加。こ
ちらもサービスが3.7%減少したのに対し、物品は2.1%増えた。GDP成長率に対する
外需(輸出−輸入)の寄与度はプラス0.3ポイントに上った。
粗付加価値は0.3%増加し、3四半期ぶりに拡大した。建設業が2.5%拡大。製造業は
投資財が落ち込んだものの、中間財が増え、全体では0.2%伸びた。流通・運輸・宿
泊・飲食は0.4%増、情報・通信は0.9%減、金融・保険は0.2%減、企業向けサービ
スは0.4%減だった。
欧州連合(EU)とユーロ圏のGDPはともに0.3%増えた。米国も0.4%増とドイツより
高い。
ドイツ経済は低迷が長引いている。第1四半期の実質GDPは物価調整ベースで前年同期
を0.9%下回った。前年同期比ベースのマイナス成長は4四半期連続だ。