旭化成は28日、スウェーデンの製薬会社カリディタス・セラピューティクスを買収す
ると発表した。免疫・移植の疾患周辺領域で医薬事業を強化する方針に基づく措置。
株式公開買い付け(TOB)を通してカリディタス株を取得する。カリディタスは同TOB
に賛同しており、買収は友好的なものとなる。
カリディタスは有効な治療方法がない疾患の治療法開発に注力する製薬会社。主力製
品「タルペーヨ」は現在、腎臓病の一種である原発性 IgA 腎症の腎機能低下を抑制
できる唯一の医薬品となっている。
旭化成は同社を1株当たり208スウェーデン・クローナで買収する。これは前日終値と
直近30取引日の加重平均株価をともに83%上回る水準で、買収総額は118億スウェー
デン・クローナ(1,739億円)に上る。すでに上位3株主などから計44.65%を取得す
ることで合意が成立済みだ。90%以上の応募をTOBの成立条件としているものの、自
らの判断でこの条件を破棄する権利を持つとしている。