VWが手ごろな価格のBEVを欧州に投入

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループは28日、市販価格2万ユーロ程
度の低価格な電気自動車(BEV)を欧州市場向けに開発すると発表した。手ごろな
価格のエントリーモデルがないとBEVが底辺まで普及せず、電動化戦略に大きな狂
いが生じかねないことから、低価格化を加速する。VW乗用車ブランドのトーマス・
シェーファー最高経営責任者(CEO)は、「わが社のブランドの約束は“万人のた
めの電動モビリティ”だ」と明言した。
当該モデルを大衆車部門ブランドグループ・コアで開発し、2027年に世界初公開を
行う。コアにはVW乗用車ブランドのほか、チェコのシュコダ、スペインのセアト
とクプラが含まれる。どのブランドからどのセグメントのBEVを市場投入するかな
ど詳細は明らかにされていない。
コアでは2万ユーロのBEVに先立ち、25年末から2万5,000ユーロ未満のBEV「エレク
トリック・アーバン・カー・ファミリー」を市場投入する。VWがコンパクトカーと
SUV、シュコダがSUV、クプラがコンパクトカーを販売する計画。生産はすべてスペ
インの工場で行う。
『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が消息筋の情報として報じたところによる
と、2万ユーロのBEVはチェコで生産する可能性が高い。ドイツでの生産はコストが
高く採算が取れないため、あり得ないという。
部品は可能な限り欧州内で調達する。輸送距離を短くすることで製品カーボンフッ
トプリントを低くする狙いがある。
VWは仏同業ルノーと2万ユーロBEVの共同開発に向けて協議したが、合意に達しな
かったことから単独開発を決めた。

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