牛の胃内菌からフマル酸を生産へ、BASFが研究プロジェクト

化学大手の独BASFは6日、牛の胃内に生息する細菌を用いてフマル酸を生産する研
究プロジェクトをザールラント、マールブルク、カイザースラウターン・ランダウ
大学と共同実施すると発表した。これまで化石燃料を用いてきたフマル酸の生産を
微生物ベースに改めることで、製品カーボンフットプリントを改善する。
バスフィア・スクシニシプロデュセンス(Basfia succiniciproducens)という細
菌を用いて研究を行う。同細菌は乳用牛であるホルスタイン種の第一胃(こぶ胃)
から2008年に初めて分離された新種。砂糖と二酸化炭素(CO2)からフマル酸を生
成する。
BASFは3大学と共同で「FUMBIO」という名のプロジェクトを行う。バスフィア・ス
クシニシプロデュセンスの遺伝子を組み替え、フマル酸を大量に生成できるように
する。CO2は化学生産施設から排出されるものを使うため、排出削減につながる。
酵素を用いてフマル酸から生分解性の製品を製造することも目指す。連邦教育・研
究省から補助金260万ユーロを受ける。
フマル酸は食品・飼料添加剤、医薬原料、ポリマーと洗剤の原料など幅広い分野の
製品製造に用いられている。

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