VWが大規模蓄電事業に参入

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は7日、充電サービス子会社エリ
(Elli)が大規模蓄電事業に参入すると発表した。再生可能エネルギー電力と電力
需要の拡大を背景に蓄電ニーズが今後、大幅に増えることを見据えた措置。発電量
が天候に大きく左右される再生エネの有効利用につながる。
再生エネ電力は風力や日射量が強いと生産可能な量が増えるものの、需要が少ない
と発電を見合わせなければならない。連邦ネットワーク庁によると、蓄電能力不足
が原因で発電できなかった再生エネ電力の量は昨年、ドイツだけで1万500ギガワッ
ト時(GWh)に上った。これは電気自動車320万台強の1年間の電力使用量に匹敵す
る。
蓄電能力が拡充されれば、そうした無駄が解消されることから、エリは蓄電事業に
参入する。顧客に提供するほか、裁定取引を通して電力市場で販売する意向だ。
蓄電設備の第一弾は北ドイツに設置する。容量は700MWh。数週間以内に着工し、来
年初頭から稼働を開始する。
ドイツ全体の蓄電容量は現在およそ1GWh(1,000MWh)にとどまる。フラウンホー
ファー研究所によると、容量の需要は2030年までに100GWh超へと拡大する見通し
だ。

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