露ガス大手への独ユニパーの損賠請求権、仲裁裁が認定

独エネルギー大手ユニパーは12日、ロシア国営天然ガス会社ガスプロムに損害賠償
の支払いなどを求めて同社が起こしていた裁判で勝訴したと発表した。スウェーデ
ンの仲裁裁判が130億ユーロ超の支払いをガスプロムに命じたという。ただ、ガス
プロムがこの命令に応じることは考えにくく、ユニパーのマイケル・ルイス最高経
営責任者(CEO)は「有意義な額を期待できるかどうかを現在の見地から判断する
ことはできない」と述べた。仲裁裁の裁定は最終的なもので、法的拘束力があると
いう。
ユニパーはドイツ最大の天然ガス輸入会社。ガスの大半をガスプロムから長期契約
に基づいて調達してきたが、ウクライナ戦争に伴う欧米の制裁への報復措置として
ガスプロムが供給を2022年6月に大幅縮小。同8月末からは完全停止したことから、
極めて割高なスポット市場でのガス購入を余儀なくされ、財務が急速に悪化した。
ユニパーが経営破たんするとドイツのエネルギー供給に大きな支障が出ることか
ら、政府は12月に同社を国有化し、総額130億ユーロ強の資金を注入した。
ユニパーはこれを受け22年末、スウェーデンの仲裁裁判所に提訴していた。ガスプ
ロムとの契約で両社の係争は同仲裁裁で解決することが取り決められていたため
だ。
今回の裁定では、ガスプロムとの全契約を解除する権利の確認を求めた訴えも認め
られた。ユニパーはこの権利を行使し、ガスプロムからの調達を法的に終了する。
実際の供給は22年夏以降、停止されているものの、供給契約自体は有効な状態が続
いていた。

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