金属労組がベア7%要求へ

独金属労組IGメタルの執行部は17日、電機・自動車・機械業界で9月に始まる労使交
渉で7%のベースアップを要求する方針を固めた。各地区の支部の意見を踏まえ7月9
日に最終決定を下す。経営側は大幅賃上げの余地はないとしており、交渉は難航が予
想される。
現行協定は2022年11月に締結された。23年6月に5.2%、24年5月に3.3%の賃上げを実
施。物価の高騰を踏まえ、所得税と社会保険料免除のインフレ調整一時金が3,000
ユーロ支給された。
製造業の景気は低迷している。新規受注は底打ちの兆しが出ているものの、水準は低
い。それにもかかわらずIGメタルが大幅ベアを要求するのは、組合員アンケート調査
で「自社の経営状態が安定している」との回答が80%に達したためだ。クリスティ
アーネ・ベンナー第1委員長は、一部の企業の業績が振るわないからといって業界全
体の被用者がそのしわ寄せを受ける必要はないとの見解を表明した。
職業訓練生については月額ベースで一律170ユーロの賃上げを要求する。上げ幅は7%
を大幅に上回る。同労組はこれについて、物価の高騰を受け職業訓練生の3分の1が副
業を余儀なくされている現状を改めるためだと説明した。
雇用者団体ゲザムトメタルは、大幅な賃上げを実施すれば、生産拠点などの国外移転
が加速すると指摘。人件費の上昇は国内雇用に悪影響をもたらすとけん制している。
現行協定は9月末で失効する。10月28日までに妥結しなければ、IGメタルは警告スト
ライキを実施できるようになる。

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