スイスのビジネススクールIMDが17日に発表した2024年の世界競争力ランキングで、
ドイツは総合24位となり、前年の22位から後退した。同国の順位は低下が続いてお
り、10年前の14年は6位に付けていた。ロシアのウクライナ侵略に伴う経済環境悪化
のほか、時代の変化に見合った改革の遅れが反映されている。
同ランキングは世界の主要国を対象に毎年発表されている。統計データと経営者に対
するアンケート調査をもとに「経済パフォーマンス」「政府の効率性」「企業の効率
性」「インフラ」の4分野で評価が下される。今年は計67カ国が対象となった。
ドイツは今回、4分野すべてで評価を落とした。IMD世界競争力センターのアルトゥー
ロ・ブリス所長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、ロシアの侵略戦争に伴
う経済の失速、物価高騰など外的な要因のほか、時代の変化に対応できないという内
的要因を指摘。特に中小企業はデジタル技術の活用を通した生産性の向上という課題
に手間取っているとの見方を示した。
現政権に対する経営者の評価は低く、政府が有能だとする回答は5%にとどまった。
重い税負担も競争上の致命的なマイナス要因と受け止められている。
24年のランキングではシンガポールが3ランク上がり4年ぶりに首位に返り咲いた。2
位はスイス、3位はデンマークが続く。トップ10はすべて小国が占めており、大国で
は米国の12位が最高だった。中国は14位、日本は38位となっている。